
麦門冬湯は小青竜湯と違い、小青竜湯は水っぽい咳やた痰に効くのに対して、乾いた咳や痰がある方に効果があります。
麦門冬湯は、麦門冬というジャノヒゲというユリ化の植物の根から出来た生薬の名前が使われています。また、麦門冬以外にも、半夏、大棗、甘草、人参、粳米の6種類の生薬から成っています。麦門冬湯はあまり体力のない人に向いていて、風邪を引いた際に、乾いた咳が出る方におすすめです。胃や肺に潤いを与えて、咳を鎮める働きがあります。また、麦門冬湯に含まれる半夏という生薬には、つまった痰を取り除く効果があり、風邪をひいてなかなか取れない痰や咳が出る時に、妊婦さんや年配の方にも飲まれる漢方になります。咳以外にも、気管支炎や気管支喘息、声のかすれなどにも効果があります。
乾燥した咳や痰などには麦門冬湯が有効ですが、もし黄色がかった水っけ、湿の高い痰や咳の場合は、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)がおすすめです。ですが、これは妊婦さんや年配の方には向かず、体力のあるかた向きで、効果としての働きが強く、激しい咳や気管支喘息に対しても効果的です。